AviUtlで動画編集を始めると、多くの人が一度は「あれ?タイムラインはどこ?」と混乱する経験をします。私が動画編集に慣れ始めた頃も、突然拡張編集のウィンドウが消えてしまい、作業が完全に止まってしまったことがありました。これはAviUtlの仕様に起因する、非常によくあるトラブルです。
この記事では、AviUtlの拡張編集ウィンドウ、つまりタイムラインが消えてしまった際の対処法を、初心者にも分かりやすく解説します。簡単な方法から順番に試せるように構成しているので、この記事を読めば、あなたの問題もきっと解決します。

AviUtlで拡張編集が消える主な原因

拡張編集のタイムラインが表示されなくなる問題は、いくつかの原因が考えられます。慌てずに、まずは何が原因で消えてしまったのかを理解することが、解決への一番の近道です。多くの場合は、ごく単純な操作ミスが原因です。
ウィンドウを閉じてしまっただけの単純なケース
最も多い原因が、意図せず拡張編集ウィンドウを閉じてしまったケースです。AviUtlでは、拡張編集ウィンドウの右上にある「×」ボタンを押すと、ウィンドウが閉じるのではなく「非表示」の状態になります。
この非表示の状態でAviUtl本体を終了すると、その設定が保存されてしまいます。結果として、次にAviUtlを起動したときにも拡張編集ウィンドウは表示されないままになる、という仕組みです。多くのアプリケーションとは挙動が異なるため、多くの初心者がこの現象に戸惑います。
画面の外に見えなくなっているケース
次に考えられるのが、ウィンドウがモニターの表示領域外に移動してしまったケースです。これは特に、複数のモニターを使っている環境で作業した後に、モニターの接続構成を変更した場合などによく起こります。
AviUtlはウィンドウの位置情報を記憶しています。そのため、以前表示していた座標が現在のモニター環境では表示できない場所であっても、その位置にウィンドウを表示しようとします。結果として、設定上は表示されているのに、画面上には見えないという状態が発生します。
拡張編集ウィンドウの基本的な表示方法

原因が分かれば、対処は難しくありません。ほとんどの問題は、これから紹介する2つの基本的な方法で解決できます。私がタイムラインを見失ったときも、大抵はこのどちらかの方法で表示させています。
メニューから表示を切り替える
拡張編集ウィンドウを非表示にしてしまっただけなら、AviUtl本体のメニューから簡単に再表示できます。これが最も基本的で、最初に試すべき操作です。
- AviUtl本体のメニューバーにある「設定」をクリックします。
- 表示されたリストの中から「拡張編集の設定」を探します。
- 「拡張編集の設定」をクリックして、チェックが入った状態にします。
この操作だけで、非表示になっていたタイムラインが画面に表示されるはずです。「表示」メニューではなく「設定」メニューの中に項目がある点が少し分かりにくいので、覚えておくと良いでしょう。
ウィンドウの位置を初期化する
メニューの「拡張編集の設定」にチェックが入っているのにタイムラインが見当たらない場合は、画面外にウィンドウが移動している可能性が高いです。その場合は、ウィンドウの位置をリセットする機能を使います。
- AviUtl本体のメニューバーにある「ファイル」をクリックします。
- リストの中から「環境設定」を選択します。
- さらに表示されるメニューから「ウィンドウの位置を初期化」をクリックします。
この操作を実行すると、本体ウィンドウ、再生ウィンドウ、そして拡張編集ウィンドウが全てモニターの初期位置に強制的に再配置されます。これで画面外に家出してしまったタイムラインを呼び戻せます。
基本的な方法で表示されない場合の対処法

ここまでの方法で解決しない場合、少し踏み込んだ対処が必要です。プラグインの導入ミスや、他の設定との競合など、より根本的な原因が隠れているかもしれません。落ち着いて一つずつ確認していきましょう。
プラグインの導入状況を確認する
そもそも「設定」メニューの中に「拡張編集の設定」という項目自体が存在しない場合があります。これは、拡張編集プラグインがAviUtlに正しく認識されていない証拠です。
原因 | 対処法 |
インストールミス | ダウンロードしたzipファイルを解凍してできたフォルダの中身を、aviutl.exeと同じ階層にコピーしているか確認します。フォルダごとコピーしているのが最も多い失敗例です。 |
ファイルの欠損 | セキュリティソフトがプラグインのファイルを誤って削除・隔離していないか確認します。隔離されている場合は復元し、AviUtlのフォルダを監視対象から除外する設定をします。 |
解凍エラー | 古い解凍ソフトなどが原因で、ファイルが正しく解凍できていないケースもあります。Windows標準の機能や、別の解凍ソフトで再度試してみることをお勧めします。 |
フィルタの処理順序を見直す
まれに、他のプラグインとの相性で拡張編集の表示が妨げられることがあります。これは、映像を処理する「フィルタ」の順番が影響しているケースです。
「拡張編集」は映像処理の根幹を担うため、他のフィルタよりも先に処理される必要があります。以下の手順で順番を確認・修正します。
- AviUtl本体のメニューバーから「設定」をクリックします。
- 「フィルタ順序の設定」を選択し、「ビデオフィルタ順序の設定」を開きます。
- 「フィルタの順序」というウィンドウが表示されたら、「拡張編集」という項目を探します。
- もし「拡張編集」がリストの下の方にある場合は、選択して「上へ移動」ボタンで最上部に移動させます。
この設定を見直すことで、プラグイン間の競合が解消され、ウィンドウが正常に表示されることがあります。
まとめ

私が解説してきたように、AviUtlで拡張編集のタイムラインが消える問題は、ほとんどの場合、簡単な手順で解決できます。まずはメニューの「設定」から「拡張編集の設定」を確認し、それでもダメなら「ウィンドウの位置を初期化」を試すのが定石です。
それでも表示されない場合は、プラグインの導入ミスや設定の競合を疑い、本記事で紹介した対処法を一つずつ丁寧に実行してみてください。動画編集中のトラブルはつきものですが、原因と対処法を知っていれば、冷静に対応できます。この記事が、あなたの快適なAviUtlライフの一助となれば幸いです。