YouTubeにアップロードする動画や、すでにある動画を一つにまとめたいと考えたことはありませんか。複数の動画クリップをつなげることで、より長くて見ごたえのあるコンテンツを作成できます。しかし、どのようなツールを使えば良いのか迷う人も多いでしょう。この記事では、YouTube動画を結合するための便利なツールを厳選して14個紹介します。
私が実際に試した結果、それぞれのツールには特徴があり、PCでじっくり編集したい人向けのものから、スマホで手軽に済ませたい人向けのものまで様々です。この記事を読めば、あなたの目的や環境に最適な動画結合ツールが必ず見つかります。
YouTube Studioで動画は結合できない?

多くの方が「YouTubeの公式機能で動画を結合できないのか?」と疑問に思うでしょう。その疑問に、はっきりとお答えします。
かつては存在した結合機能
結論から言うと、現在、YouTube Studioの機能を使って複数の動画ファイルを一つに結合することはできません。実は2021年9月まで、YouTubeには簡易的な動画エディタがあり、アップロード済みの動画をつなぎ合わせる機能が存在していました。しかし、その機能は現在廃止されています。
そのため、存在しない機能を探して時間を無駄にしないように注意が必要です。動画を物理的に一つにまとめたい場合は、これから紹介する外部のツールを利用する必要があります。
現在の編集機能の役割
現在のYouTube Studioにも「編集」という項目はありますが、これは動画ファイルそのものを加工するものではありません。この機能の主な役割は、複数の動画のタイトル、説明文、タグ、収益化設定といった「メタデータ」を一度に更新することです。
動画の内容に手を入れるのではなく、動画に関する情報を効率的に管理するための機能だと理解しておきましょう。この区別を理解することが、適切なツール選びの第一歩です。
動画結合の代わりに使えるYouTubeの「再生リスト」機能

動画ファイルを物理的に結合しなくても、視聴者に連続で動画を見てもらうための強力な方法がYouTubeには用意されています。それが「再生リスト」機能です。これは単なる動画の整理機能ではなく、チャンネルを成長させるための戦略的なツールになります。
再生リストの基本的な使い方
再生リストの作成は非常に簡単です。PCでもスマホでも、数ステップで完了します。
- リストに入れたい動画のページで「保存」をクリックする
- 「新しい再生リストを作成」を選択する
- 再生リストに名前を付け、公開設定(公開・限定公開・非公開)を選ぶ
これだけで、複数の動画が順番に自動再生されるリストが完成します。視聴者にとっては、あたかも一つの長い動画を見ているかのような体験を提供できるのです。
再生リストを戦略的に活用するメリット
再生リストの真価は、その戦略的な活用にあります。チャンネルの成長に直結する大きなメリットがいくつも存在するのです。
コンテンツの整理と視聴者体験の向上
動画をテーマやシリーズごとに再生リストでまとめることで、チャンネルのページが見やすくなります。視聴者は自分の見たいコンテンツ群を簡単に見つけられるようになり、満足度が向上します。
再生順序の最適化によるエンゲージメント向上
再生リスト内の動画の順番は自由に変更できます。人気のある動画や、最も伝えたいメッセージを含む動画を最初に配置することで、視聴者の興味を引きつけ、離脱を防ぎます。結果的に、総再生時間の増加につながるのです。
SEO効果による新規視聴者の獲得
再生リストのタイトルや説明文に検索キーワードを適切に含めると、YouTubeの検索結果に再生リストそのものが表示されることがあります。これにより、個別の動画だけでなく、再生リストが新たな視聴者の入り口となり、チャンネル全体の露出が増加します。
「公式シリーズ」機能で視聴維持率アップ
自身がアップロードした動画だけで構成された再生リストは、「公式シリーズ」として設定できます。これを設定すると、YouTubeのアルゴリズムがリスト内の動画を一つの連続したシリーズだと認識します。その結果、シリーズの次の動画が「次のおすすめ」として視聴者に表示されやすくなり、視聴維持率を劇的に高める効果が期待できます。
YouTube動画を結合する際の注意点

便利なツールを使って動画を結合する前に、絶対に知っておくべき重要なルールがあります。それは、著作権とYouTubeの利用規約です。これらを守らないと、チャンネルがペナルティを受ける可能性もあるため、しっかりと理解しておきましょう。
著作権と利用規約の壁
大前提として、自分以外の人が作成した動画を無断でダウンロードし、編集・結合して再アップロードする行為は、著作権侵害にあたります。 これは、YouTubeの利用規約でも明確に禁止されています。
たとえ悪意がなくても、「面白い動画を見つけたから、つなぎ合わせて自分のチャンネルで公開しよう」という考えは非常に危険です。最悪の場合、著作権法違反として罰則の対象となることもあります。動画を結合する際は、必ず自身が著作権を持つオリジナルの動画を使用してください。
合法的に利用できるクリエイティブ・コモンズ
他者のコンテンツを利用したい場合、唯一の合法的な道が「クリエイティブ・コモンズ(CC)」ライセンスです。これは、作者が「一定の条件を守れば、私の作品を自由に使っていいですよ」と意思表示しているものです。
YouTubeでは、検索フィルターで「クリエイティブ・コモンズ」を選択すると、再利用が許可された動画だけを探せます。ただし、CCライセンスの動画を利用する際は、元の作者の名前などを動画の説明欄に記載する(クレジット表示)といった条件を守る必要があります。ライセンスの種類と条件を必ず確認してから利用しましょう。
【PC向け】YouTube動画を結合できるおすすめツール

ここでは、パソコンで動画を結合するための代表的なツールを紹介します。インストールしてじっくり使えるオフラインツールと、ブラウザ上で手軽に使えるオンラインツールに分けて解説します。
オフライン|インストールして使う高機能ツール
インターネット接続がない場所でも作業でき、高度な編集に対応できるのが魅力です。
MiniTool Movie Maker
Windowsユーザー向けの無料動画編集ソフトです。直感的な操作画面が特徴で、動画ファイルをタイムラインにドラッグ&ドロップし、簡単につなぎ合わせることができます。
VideoProc Converter
動画のダウンロード、変換、編集機能を備えたパワフルなソフトです。特に処理速度の速さに定評があり、4Kなどの高画質な動画もストレスなく扱えます。
iMovie(Mac専用)
Macユーザーであれば、無料で利用できる標準の動画編集ソフトです。シンプルな操作性でありながら、プロ並みの美しい仕上がりを実現します。
Windowsムービーメーカー
古くからあるWindowsの動画編集ツールですが、そのシンプルさから今でも根強い人気があります。基本的な結合やカット編集を手早く行いたい場合に適しています。
VideoPad
WindowsとMacの両方に対応した動画編集ソフトです。無料版でも基本的な結合機能は十分に利用でき、初心者でも扱いやすいインターフェースが特徴です。
Shotcut
完全無料で利用できるオープンソースの動画編集ソフトです。多機能でありながら操作が分かりやすく、幅広いフォーマットに対応しているため、非常に汎用性が高いツールと言えます。
オンライン|ブラウザで手軽に使えるツール
ソフトをインストールする必要がなく、URLにアクセスするだけですぐに利用できるのが最大のメリットです。
ツール名 | 特徴 |
BeeCut | 完全無料で制限なく利用できるオンライン結合ツール。ドラッグ&ドロップの簡単操作が魅力です。 |
VEED.IO | ユーザーフレンドリーなインターフェースで、直感的に動画を結合できます。スマホのブラウザからも利用できます。 |
Canva | デザインツールとして有名ですが、動画編集機能も優秀です。豊富なテンプレートでおしゃれな動画が作れます。 |
Adobe Express | Adobe社が提供する高品質なオンライン編集ツール。SNS向けの動画作成にも適しています。 |
Kapwing | 結合だけでなく、トランジション(場面転換の効果)の追加も簡単に行えます。無料版は完成動画に透かしが入ります。 |
Media.io | シンプルな操作性が特徴のオンラインツール。様々な動画フォーマットに対応しており、YouTube用の動画編集に最適です。 |
Clideo | 動画をアップロードし、順番を並べ替えて結合するだけのシンプルなツール。手早く作業を終えたい人におすすめです。 |
【スマホ向け】YouTube動画を結合できるおすすめアプリ4選

移動中や外出先でも手軽に動画を結合したいなら、スマートフォンアプリが便利です。高機能で使いやすいアプリを厳選しました。
CapCut
TikTokを運営する会社が提供しており、完全無料でロゴなしの動画を作成できるのが最大の魅力です。直感的な操作で、動画のカットや結合、BGMの追加、テロップ入れまで簡単に行えます。初心者でもプロ並みのクオリティの動画を作れる万能アプリです。
VLLO
買い切り型の有料プランもありますが、無料版でも基本的な動画結合機能はすべて利用できます。操作がシンプルで分かりやすく、可愛いステッカーやテンプレートが豊富なので、特に女性に人気のアプリです。
InShot
シンプルなインターフェースで、動画の結合やトリミングが簡単に行えます。フィルターやエフェクトの種類が豊富で、SNS映えするおしゃれな動画を作りたい場合に最適です。
PowerDirector
PC版の動画編集ソフトとしても有名ですが、その機能をスマホアプリに凝縮しています。AIによるアシスト機能も搭載されており、初心者でも簡単にクオリティの高い動画編集ができます。
まとめ

この記事では、YouTube動画を結合するための様々な方法とツールを紹介しました。もう一度ポイントをおさらいします。
- YouTube Studioに動画を物理的に結合する機能は存在しない。
- 再生リストは、チャンネル成長にもつながる強力な代替策である。
- 他人の動画を無断で結合するのは著作権侵害にあたるため、必ず自身の動画かクリエイティブ・コモンズの素材を利用する。
- PC向けツールには高機能なオフライン版と手軽なオンライン版がある。
- スマホアプリを使えば、場所を選ばずに動画を結合できる。
私がおすすめするのは、まず「再生リスト」の活用を検討することです。これが視聴者にとってもチャンネル運営にとっても最もメリットが大きい方法です。その上で、どうしても動画ファイルを一つにまとめたい場合に、この記事で紹介したツールの中から自分のスタイルに合ったものを選んでみてください。正しい知識と便利なツールを使いこなし、あなたのYouTubeチャンネルをさらに魅力的なものにしていきましょう。