Vlogを始めたいけれど、どのカメラを選べばいいか分からず、悩んでいませんか。最近のスマートフォンは高性能ですが、視聴者を惹きつけるクオリティの高い映像を作るなら、専用カメラの導入がおすすめです。
私がVlogを始めた頃は手探り状態でしたが、今は初心者でも素晴らしい映像が撮れるカメラが数多く存在します。この記事では、Vlog初心者の方が予算を抑えつつ、後悔しないカメラを選ぶための具体的な方法と、厳選したおすすめモデルを徹底的に解説します。
Vlog初心者が後悔しないカメラの選び方
カメラ選びで失敗しないためには、Vlog撮影に特化した重要なポイントを理解することが不可欠です。私が数多くのカメラを試してきた経験から断言できる、絶対に外せない4つの柱を紹介します。
手ブレ補正性能で視聴者を酔わせない
Vlogの基本は、歩きながら撮影する「歩き撮り」です。このとき、映像が激しく揺れていると、視聴者は不快に感じてすぐに動画を閉じてしまいます。
快適に視聴してもらうためには、手ブレ補正機能が極めて重要です。手ブレ補正には大きく分けて、カメラ内部で電子的に処理する「電子式」と、センサーやレンズを物理的に動かす「光学式」や「ボディ内式」、そしてモーターでカメラの姿勢を制御する「ジンバル」があります。初心者向けの安いカメラでは電子式が主流ですが、その性能はモデルによって大きく異なります。
オートフォーカス性能で主役を逃さない
Vlogでは撮影者自身が主役になる場面が頻繁にあります。背景がめまぐるしく変わる中で、ピントが合わなかったり、背景にピントがずれたりすると、一気に素人っぽい映像になります。
そこで重要になるのが、高速かつ正確なオートフォーカス(AF)性能です。特に、人物の顔や瞳を自動で追いかけ続ける「瞳AF」や、狙った被写体を追尾する「トラッキングAF」は必須の機能といえます。これらの機能があれば、ピント合わせをカメラに任せて、自分は話すことや表現することに集中できます。
クリアな音声で情報を確実に届ける
視聴者は画質の悪さよりも、音質の悪さに敏感です。雑音だらけで何を話しているか聞き取れない動画は、それだけで視聴価値を失います。
多くのVlog向けカメラは、カメラ前方の音をクリアに拾う高性能な内蔵マイクを備えています。風の音を低減する「ウインドスクリーン」が付属しているモデルを選ぶと、屋外撮影で大きな差が出ます。将来的に音質をさらに追求したいなら、高性能な外部マイクを接続できる「マイク入力端子」の有無も確認しておくべきポイントです。
自撮りに必須のモニターで画角を確認
自撮りをしながら撮影する場合、自分がどのように映っているかを確認できないと、意図した通りの映像を撮るのは困難です。液晶モニターの仕様はVlog撮影の快適さを左右します。
モニターにはいくつか種類がありますが、Vlog用途なら、モニターを横に開いて自由な角度に回転できる「バリアングル液晶」が絶対に必要です。これなら、確実に自分をモニターで確認しながら撮影できます。縦位置での撮影や、高い位置・低い位置からの撮影にも柔軟に対応できるため、表現の幅が大きく広がります。
【2025年版】予算別!Vlog初心者におすすめの安いカメラ5選
ここでは、選び方の4つの柱を踏まえ、私が厳選した初心者向けの安いVlogカメラを5つ紹介します。それぞれのカメラに明確な特徴があるので、あなたの撮影スタイルに合った一台が必ず見つかります。
Sony VLOGCAM ZV-1F|スマホから卒業する完璧な第一歩
スマートフォンからのステップアップとして、とにかく手軽に高画質なVlogを始めたい方に最適な一台です。難しい設定は不要で、箱から出してすぐに撮影を始められます。
メリット
1インチの大型センサーと20mmの超広角レンズにより、スマホとは一線を画す高画質で広い範囲を写せます。背景をワンタッチでぼかせる「背景ぼけ切り替え」や、顔と商品の間でスムーズにピントを移動させる「商品レビュー用設定」など、Vlogに特化した機能が満載です。
デメリット
手ブレ補正は電子式のみで、オンにすると画角が少し狭くなります。ズームも画質が劣化するデジタルズームのみです。歩きながらの撮影が多い場合は、手ブレが気になる場面があるかもしれません。
Canon PowerShot V10|ポケットに収まるユニークなVlogツール
これまでのカメラの常識を覆す、スマートフォンライクな縦型デザインが特徴的なモデルです。究極の携帯性を求めるクリエイターにぴったりです。
メリット
最大の魅力は、カメラ本体に折りたたみ式のスタンドが内蔵されている点です。これにより、三脚がなくてもテーブルなどに置いてすぐに撮影を始められます。大口径のマイクを搭載しており、内蔵マイクの音質もクリアです。
デメリット
バッテリーの持続時間が短めな点が挙げられます。外部マイクを接続する端子がないため、音質向上のための拡張性に限界があります。手ブレ補正も強力ではないため、激しく動きながらの撮影には向きません。
DJI Osmo Pocket 3|ハリウッド級の安定性をポケットに
手ブレを物理的に無効化する3軸メカニカルジンバルを搭載した、Vlogカメラのゲームチェンジャーです。歩き撮りでも、まるで映画のように滑らかな映像が手に入ります。
メリット
ジンバルによる手ブレ補正能力は圧倒的で、走っても映像が揺れません。大型の1インチセンサーを搭載しており、暗い場所での撮影にも強く、美しい背景ボケも表現できます。被写体を自動追尾する機能も非常に優秀です。
デメリット
レンズが交換できない単焦点レンズのため、ズーム撮影はできません。グリップ部分が小さいため、長時間の撮影では持ちにくさを感じる場合があります。
Sony VLOGCAM ZV-E10 II|次世代クリエイターの新基準
将来的にレンズを交換して、より本格的な映像表現に挑戦したいと考える、意欲的な初心者のためのカメラです。カメラと共に自分も成長していきたい方に最適です。
メリット
大型のAPS-Cセンサーによる圧倒的な高画質と、美しい背景ボケが魅力です。ソニーの上位モデル譲りのAIを活用した最先端のオートフォーカス性能を誇り、被写体を逃しません。レンズを交換することで、表現の可能性は無限に広がります。
デメリット
ボディ内に手ブレ補正機能がないため、手ブレ補正はレンズの性能に依存するか、電子式手ブレ補正を使う必要があります。多機能な分、コンデジと比較すると操作に慣れが必要です。
Nikon Z30|優れた操作性と画質をコンパクトボディに
動画だけでなく、写真撮影も本格的に楽しみたいハイブリッドなクリエイターにおすすめの一台です。ニコンならではの美しい色再現性には定評があります。
メリット
深く握りやすいグリップのおかげで、手持ち撮影時の安定感が抜群です。長時間の動画撮影にも耐えうる設計で、バッテリーの持ちも良好です。ニコンのZマウントレンズは描写力に優れたものが揃っています。
デメリット
オートフォーカス性能は優秀ですが、最新のソニー製カメラと比較すると、動きの速い被写体への追従性で一歩譲る場面があります。撮影中の音声をモニタリングするためのヘッドホン端子がない点も惜しいポイントです。
初心者向けVlogカメラ性能比較一覧表
紹介した5つのモデルの主な特徴を一覧表にまとめました。あなたの優先順位と照らし合わせて、最適なカメラを見つける参考にしてください。
モデル | センサーサイズ | 手ブレ補正 | 液晶モニター | マイク入力 | 重量 | 参考価格 |
Sony ZV-1F | 1.0型 | 電子式 | バリアングル | あり | 約256g | 約70,000円~ |
Canon PowerShot V10 | 1.0型 | 電子式 | チルト | あり | 約211g | 約53,000円~ |
DJI Osmo Pocket 3 | 1.0型 | 3軸ジンバル | 回転式 | なし (専用品) | 約179g | 約79,000円~ |
Sony ZV-E10 II | APS-C | 電子式 | バリアングル | あり | 約377g | 約153,000円~ |
Nikon Z30 | APS-C | 電子式 | バリアングル | あり | 約405g | 約87,000円~ |
Vlogの質を劇的に向上させる必須アクセサリー
カメラ本体を手に入れたら、次はアクセサリーを揃える番です。いくつか追加するだけで、Vlogのクオリティは飛躍的に向上します。私が特におすすめする必須アイテムを紹介します。
グリップ兼ミニ三脚|撮影の安定性と多様性を確保
Vlog撮影で最初に手に入れるべきアクセサリーです。自撮りをする際にカメラを持ちやすくする「グリップ」としての役割と、テーブルなどにカメラを置いて定点撮影をする「ミニ三脚」としての役割を兼ね備えています。これ一つで撮影の快適性と表現の幅が大きく広がります。
外部マイク|音質改善は最も効果的な投資
前述の通り、音質はVlogの生命線です。内蔵マイクも高性能ですが、外部マイクを追加することで、周囲の雑音を劇的に減らし、自分の声をクリアに収録できます。数千円から投資できるショットガンマイクでも効果は絶大です。
NDフィルター|映像を作品に昇華させる魔法のアイテム
日中の明るい屋外で、背景をぼかしつつ、映画のような滑らかな映像を撮りたい場合に必須となるのがNDフィルターです。レンズに入る光の量を調整する「サングラス」のようなもので、これを使いこなせると映像のクオリティが一気にプロレベルに近づきます。
SDカード|撮り逃しを防ぐ縁の下の力持ち
4Kなどの高画質な動画を撮影するには、データの書き込み速度が速いSDカードが必要です。カードの性能が低いと、録画が途中で止まってしまい、貴重な瞬間を撮り逃すことになります。「V30」という規格に対応した、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
まとめ
今回は、Vlog初心者の方が予算を抑えつつ最適なカメラを選ぶためのポイントと、具体的なおすすめモデルを紹介しました。たくさんの選択肢がありますが、最終的に「最高のカメラ」とは、あなたが最も頻繁に持ち出して、撮影そのものを楽しめる一台です。
- 手軽さと価格を最優先するなら|Canon PowerShot V10
- 最高の映像品質と手軽さを両立したいなら|DJI Osmo Pocket 3
- 将来的に本格的な映像制作を目指したいなら|Sony VLOGCAM ZV-E10 II
機材はあくまであなたのストーリーを伝えるための道具に過ぎません。この記事を参考にして、あなたにぴったりのパートナーとなるカメラを見つけ、創造性あふれるVlogライフをスタートさせてください。