YouTubeで動画を多くの人に見てもらうためには、様々な工夫が必要です。その中でも、比較的手軽に試せるのが「ハッシュタグ」の活用です。
ハッシュタグを適切に使うことで、あなたの動画がより多くの視聴者の目に触れる機会が増えます。
この記事では、YouTubeにおけるハッシュタグの効果的な使い方から、設定する上での注意点まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
ハッシュタグをマスターして、チャンネル成長に繋げましょう。
YouTubeハッシュタグの基本｜役割とメカニズム
ここでは、YouTubeのハッシュタグがどのようなもので、どんな役割を果たしているのか、基本的な仕組みについて解説します。
YouTubeにおけるハッシュタグは、動画を見つけやすくするための重要な要素です。正しく理解し活用することで、チャンネルの成長に繋がります。
ハッシュタグと標準タグの違い
YouTubeにはハッシュタグとは別に「標準タグ（単にタグとも呼ばれる）」という機能があり、しばしば混同されますが、明確な違いがあります。
これらの違いを理解することは、両機能を効果的に使い分けるために重要です。
目的の違い｜視聴者向け vs アルゴリズム向け
ハッシュタグは、主に視聴者が動画を見つけやすくするために使われます。動画上でクリックでき、関連動画を探す手助けとなります。
一方、標準タグは、主にYouTubeのシステム（アルゴリズム）に対して、動画の内容やジャンルを伝えるためのものです。視聴者には表示されず、裏側で動画の分類に使われます。
配置場所と可視性の違い｜どこに入力し、誰に見えるか
ハッシュタグは、動画の「タイトル」または「説明欄」に入力します。入力されたハッシュタグは、タイトル上部（最初の3つまで）や説明欄で青文字で表示され、視聴者がクリックできます。
標準タグは、動画アップロード画面の専用の「タグ」入力欄に入力します。ここに入力したタグは、通常の視聴者からは見ることができません。
| 特徴 | ハッシュタグ | 標準タグ |
|---|---|---|
| 目的 | 視聴者による発見、コンテンツ分類、トピック関連付け | YouTubeアルゴリズムへの動画内容・ジャンル伝達 |
| 配置場所 | 動画のタイトルまたは説明欄 | アップロード/編集画面の専用「タグ」欄 |
| 可視性 | 視聴者に表示される（通常、青文字） | 視聴者には表示されない |
| 主要な対象 | 視聴者、アルゴリズム | YouTubeアルゴリズム |
| クリック可否 | 可能 | 不可 |
| 推奨される数 | 3〜15個程度 | 10〜15個程度（最大500文字） |
| 上限 | 60個を超えると全て無効 | 特になし（文字数制限あり、過剰は非推奨） |
YouTubeでハッシュタグを活用するメリット
ここでは、YouTubeでハッシュタグを効果的に使うことで、具体的にどのような良いことがあるのかを解説します。
ハッシュタグの活用は、動画の視聴回数増加やチャンネル登録者の獲得に繋がる重要な戦略の一つです。
発見されやすくなる｜検索と関連動画での露出増
ハッシュタグを適切に設定すると、あなたの動画が視聴者の目に触れる機会が増えます。
これは、YouTube内での検索結果や、他の動画の関連動画として表示されやすくなるためです。
検索からの流入を増やす
動画の内容に合ったハッシュタグを付けておくと、視聴者がそのキーワードで検索した際に、あなたの動画が表示されやすくなります。
特に、チャンネル登録者がまだ少ない初期段階でも、ニッチなキーワードや特定のハッシュタグで検索する熱心な視聴者に動画を見つけてもらえるチャンスがあります。
関連動画への表示チャンスを広げる
人気のある動画や、あなたの動画と似たテーマを扱っている動画が使っているハッシュタグと同じものを設定することで、それらの動画の横や再生後に「関連動画」としてあなたの動画が表示される可能性が高まります。
これにより、そのテーマに興味を持っている視聴者をあなたのチャンネルに呼び込めます。
ニッチな視聴者層に届ける
非常に専門的な内容や、特定の趣味に関する動画の場合、関連する具体的なハッシュタグを使うことで、その分野に強い関心を持つ、コアな視聴者層に直接アピールできます。
このような視聴者は、エンゲージメント（高評価、コメント、共有など）が高くなる傾向があります。
視聴者エンゲージメントを高める｜回遊性と登録者増へ
ハッシュタグは、単に新しい視聴者を呼び込むだけでなく、チャンネル内での視聴体験を向上させる効果も期待できます。
動画を見てもらうだけでなく、チャンネル全体のファンになってもらうきっかけを作ります。
視聴回数の増加を期待できる
検索結果や関連動画からのアクセスが増えることは、直接的に動画の視聴回数アップに繋がります。
より多くの人に見てもらうための第一歩として、ハッシュタグは有効な手段です。
チャンネル内の動画を見てもらいやすくする
チャンネル独自のハッシュタグ（例｜#チャンネル名）や、特定のシリーズ動画に共通のハッシュタグ（例｜#〇〇シリーズ）を使うことで、視聴者があなたの他の関連動画を見つけやすくなります。
これにより、一人の視聴者が複数の動画を見てくれる「チャンネル内回遊」が促進され、総再生時間の増加に貢献します。
新しいチャンネル登録者を獲得するきっかけに
ハッシュタグを通じてあなたの動画に出会い、内容に満足した視聴者は、チャンネル登録をしてくれる可能性が高まります。
継続的に適切なハッシュタグを活用し、ターゲットとする視聴者にリーチし続けることが、長期的なチャンネル登録者数の増加に繋がります。
効果的なハッシュタグの設定方法
ここでは、YouTubeでハッシュタグを実際に設定する際の具体的な場所や書き方、注意すべきルールについて解説します。
正しい方法で設定しないと、せっかくのハッシュタグも効果を発揮できません。基本的なルールをしっかり押さえましょう。
ハッシュタグはどこに追加する？｜推奨される場所
ハッシュタグは、動画に関する情報を入力するいくつかの場所に追加できます。
最も効果的な場所を知っておくことが大切です。
動画の説明欄への追加｜最も一般的
ハッシュタグを追加する最も一般的で推奨される場所は、動画の「説明欄」です。
ここに入力したハッシュタグは青文字で表示され、クリックすると関連動画の検索結果ページに移動します。説明欄の最初の方に記述すると、視聴者の目に留まりやすくなります。
動画タイトルへの追加｜表示される可能性も
動画の「タイトル」自体にハッシュタグを含めることもできます。
説明欄にハッシュタグが追加されている場合、そのうち最初の最大3つが、動画タイトルのすぐ上に自動で表示されることがあります。もし説明欄にハッシュタグがない場合は、タイトル内のハッシュタグが表示されることもあります。
YouTubeショートやプレイリストへの応用
ハッシュタグは通常の動画だけでなく、YouTubeショート動画のタイトルや説明欄にも追加できます。
同様に、複数の動画をまとめた「プレイリスト」のタイトルや説明欄にもハッシュタグを設定し、関連性を高めることができます。
ハッシュタグの正しい書き方｜フォーマットの基本
ハッシュタグとして正しく認識されるためには、いくつかの書き方のルールがあります。
簡単なルールですが、間違えると機能しないため注意が必要です。
半角「#」から始める｜全角はNG
ハッシュタグは必ず、半角のシャープ記号「#」で始めます。
全角の「＃」ではハッシュタグとして認識されず、ただの文字として扱われてしまいます。正しく入力できれば、通常は青文字で表示されます。
スペースは使わない｜複数単語は連結する
1つのハッシュタグの中にスペース（空白）を入れることはできません。
例えば「#動画 編集」のようにスペースを入れると、「#動画」の部分しかハッシュタグとして認識されません。複数の単語でハッシュタグを作りたい場合は、「#動画編集」のようにスペースを入れずに繋げて記述します。
複数のハッシュタグはスペースで区切る
複数の異なるハッシュタグを使いたい場合は、それぞれのハッシュタグの間を半角スペースで区切ります。
例｜「#料理 #簡単レシピ #時短」のように記述します。カンマ（,）などで区切る必要はありません。
ハッシュタグの適切な数｜多すぎは逆効果？
ハッシュタグはたくさん付ければ良いというものではありません。適切な数を守ることが重要です。
多すぎるハッシュタグは、かえって動画の評価を下げる可能性があります。
公式の上限と推奨される数｜60個はNG、3〜15個が目安
YouTubeのルールでは、1つの動画に60個を超えるハッシュタグを設定すると、その動画の全てのハッシュタグが無効になってしまいます。
しかし、これはあくまで技術的な上限であり、実際に推奨される数はもっと少ないです。一般的には、3個から多くても15個程度に留めるのが良いとされています。数が多すぎると、動画のテーマがぼやけてしまい、視聴者にもスパムのように見えてしまう可能性があります。
タイトル上に表示されるのは最初の3つ
動画の説明欄に入力したハッシュタグのうち、動画タイトルの上に目立つように表示されるのは、通常、最初の3つまでです。
したがって、最も重要で動画内容を的確に表すハッシュタグを、説明欄の最初の方に持ってくることが効果的です。量よりも質を重視し、関連性の高いキーワードを厳選しましょう。
再生数を伸ばす効果的なハッシュタグの選び方
ここでは、どのようなハッシュタグを選べば動画の再生数アップに繋がりやすいか、その考え方と具体的な方法を解説します。
ただハッシュタグを付けるだけでなく、戦略的に選ぶことが成功のカギとなります。
最重要｜動画内容との関連性を高く保つ
ハッシュタグを選ぶ上で最も大切なことは、そのハッシュタグが動画の実際のコンテンツと直接的に関連していることです。
例えば、料理動画なのに「#ゲーム実況」のような無関係なハッシュタグを付けるのは絶対にやめましょう。これはYouTubeのルール違反になるだけでなく、視聴者を混乱させ、動画やチャンネルへの信頼を失う原因になります。常に動画の内容に合った、正直なキーワードを選びましょう。
ハッシュタグの種類を組み合わせる｜バランスが重要
効果的なハッシュタグ戦略のためには、いくつかの異なる種類のキーワードをバランス良く組み合わせることが推奨されます。
これにより、様々な角度から動画が見つけられやすくなります。
広範なキーワード｜全体像を示す
動画が属する大きなカテゴリやジャンルを示す、一般的で広い意味を持つキーワードです。
例｜「#料理」「#旅行」「#フィットネス」。これらは、YouTubeのシステムが動画の全体的なテーマを理解するのに役立ちます。
具体的なキーワード｜詳細情報を伝える
動画の中で扱っている特定のトピック、技術、場所、製品名など、より詳細で具体的なキーワードです。
例｜「#オムライス作り方」「#ハワイ観光」「#腹筋トレーニング」。具体的な情報を探している視聴者の検索に引っかかりやすくなります。
ブランド・オリジナルキーワード｜独自性を出す
あなた自身のチャンネル名、動画シリーズのタイトル、独自のスローガンなど、ユニークなハッシュタグです。
例｜「#〇〇チャンネル」「#△△の部屋」。これを使うことで、あなたのコンテンツ群をまとめ、ファンが関連動画を見つけやすくし、ブランド認知度を高める効果があります。
競合キーワード｜ライバルを分析する（注意点あり）
あなたの動画と同じジャンルで人気のあるチャンネルが使っているハッシュタグを調査し、関連性が高いものを参考にします。
ただし、単に真似するだけでなく、自分の動画内容に合っているかを確認することが重要です。無関係なチャンネル名などをそのまま使うのは避けましょう。
トレンドキーワード｜時流に乗る
もし動画の内容が、その時話題になっているニュースやイベント、流行などに関連している場合、それに関連するトレンドのハッシュタグを含めることで、一時的に検索需要が高まっている波に乗れることがあります。
ただし、関連性が低いのに無理に使うのは逆効果です。
これらの異なるタイプのハッシュタグを適切に組み合わせることで、幅広い視聴者層にアピールしつつ、特定の興味を持つターゲット層にもリーチできます。
重要なハッシュタグを優先する｜表示順序の考慮
ハッシュタグを複数設定する場合、どれを先頭に持ってくるかが重要です。
前述の通り、説明欄に追加したハッシュタグのうち、最初の3つが動画タイトル上に表示される可能性が高いです。そのため、最も動画の内容を表しており、検索されやすいと思われるキーワードを優先的に、説明欄の最初の方に配置するようにしましょう。
ハッシュタグ利用時の注意点｜ポリシー違反とよくある間違い
ここでは、YouTubeでハッシュタグを使う際に気をつけなければならないルールや、やってしまいがちな間違いについて解説します。
ルールを守らないと、ペナルティを受ける可能性もあるため、しっかり確認しておきましょう。
YouTubeのポリシーを理解する｜コミュニティガイドラインの遵守
YouTubeでハッシュタグを利用する際は、プラットフォームが定めている「コミュニティガイドライン」と、特にメタデータ（タイトル、説明、タグ、ハッシュタグなど）に関するポリシーを守る必要があります。
どのようなハッシュタグが許可され、どのようなものが禁止されているか、基本的なルールを理解しておくことが大切です。詳細はYouTubeヘルプセンターで確認できます。
禁止されているハッシュタグの使用｜避けるべき行為
YouTubeでは、以下のようなハッシュタグの使用を禁止または制限しています。
これらに該当するハッシュタグを使うと、動画の削除やチャンネルへの警告などの措置が取られることがあります。
過剰なタグ付け｜スパム行為と見なされるリスク
推奨される数（3〜15個程度）を大幅に超えて、大量のハッシュタグを設定することは避けるべきです。
特に60個を超えると全てのハッシュタグが無効になりますが、それに近い数でもスパム行為と見なされ、ペナルティを受ける可能性があります。関連性の低いハッシュタグを数多く並べるのはやめましょう。
誤解を招くハッシュタグ｜内容と無関係なものはNG
動画の実際のコンテンツと全く関係のないハッシュタグを、再生数を稼ぐ目的で意図的に使用することは、明確なポリシー違反です。
例えば、ペットの動画に「#最新スマートフォン」のようなタグを付けるのは禁止されています。視聴者を騙す行為であり、動画削除の原因になります。
嫌がらせ・ヘイトスピーチなど｜厳禁事項
特定の個人やグループを攻撃したり、侮辱したり、差別を助長したりするようなハッシュタグの使用は固く禁じられています。
これには、人種、宗教、性別、性的指向などに基づく差別的な言葉も含まれます。絶対に避けなければなりません。
性的な内容・下品な言葉｜制限や削除の対象
性的に露骨な言葉や、過度に下品な言葉をハッシュタグに使うことは禁止されています。
このようなハッシュタグを使用すると、動画に年齢制限がかけられたり、削除されたりする可能性があります。
よくある間違いと回避策｜正しい使い方を身につける
意図的でなくても、ハッシュタグの使い方を間違えてしまうことがあります。
よくある間違いを知り、それを避ける方法を学びましょう。
無関係な人気ハッシュタグの乱用
その時流行っているからといって、自分の動画と関係のない人気のハッシュタグを安易に使ってしまうのは間違いです。
一時的に注目を集めるかもしれませんが、長期的にはチャンネルの評価を下げ、ポリシー違反にもなりかねません。必ず動画内容との関連性を最優先しましょう。
フォーマットエラー（全角＃、スペース混入）
基本的な書き方のルールを守れていないケースです。全角の「＃」を使ってしまったり、一つのハッシュタグの途中にスペースを入れてしまったりすると、ハッシュタグとして機能しません。
入力後に青文字になっているかを確認し、半角「#」で始め、スペースは単語間に使わないルールを徹底しましょう。
禁止用語のうっかり使用
自分では問題ないと思っていても、意図せずYouTubeのポリシーで禁止されている言葉や、誤解を招きやすい言葉を使ってしまう可能性があります。
まとめ
この記事では、YouTubeにおけるハッシュタグの効果的な活用方法と注意点について解説しました。 ハッシュタグは、動画のタイトルや説明欄に「#キーワード」の形で簡単に追加でき、特に説明欄の最初の3つがタイトル上に表示されます。
適切にハッシュタグを活用することで、検索結果や関連動画での表示機会が増え、新しい視聴者を獲得しやすくなるというメリットがあります。
一方で、ハッシュタグの数は3〜5個程度に留め、動画内容との関連性を重視することが大切です。 加えて、コミュニティガイドラインに違反する不適切なハッシュタグは使用しないように注意が必要です。
ハッシュタグは、YouTubeチャンネルを成長させるための強力なツールの一つです。 今回ご紹介したポイントを押さえて、ぜひあなたの動画作成にハッシュタグを効果的に取り入れてみてください。
今日からでも実践できる簡単な工夫で、あなたの動画がより多くの人に届くようになるはずです。