アフターエフェクトは、映像制作やモーショングラフィックスの現場で広く使われているAdobe社のソフトウェアです。以前は買い切り版が提供されていましたが、現在はサブスクリプション(サブスク)モデルのみの提供となっています。
本記事では、アフターエフェクトの買い切り版がなぜ廃止されたのか、現在の購入オプションやサブスクモデルのメリット・デメリットを解説します。
また、代替となるソフトも紹介するので、コストを抑えて映像制作をしたい方は参考にしてください。
アフターエフェクトの買い切り版はもう手に入らない?

アフターエフェクトの買い切り版は、現在ではほぼ入手不可能です。
以前は「CS6」まで買い切り型のライセンスが提供されていましたが、Adobeの方針変更により2013年からサブスクモデルに移行しました。
買い切り版が廃止された理由
アフターエフェクトの買い切り版が廃止されたのには、以下の理由があります。
- 継続的なアップデートの提供
サブスクモデルなら、最新機能を常にユーザーへ提供できます。買い切り版では、新機能を追加するために新バージョンを購入する必要がありました。 - 海賊版対策
買い切り版は一度購入すれば永続的に使えるため、違法コピーが横行していました。サブスクモデルに移行することで、ライセンス管理がしやすくなります。 - 収益の安定化
買い切りモデルは、購入後は収益が発生しません。一方で、サブスクなら毎月安定した収益が得られるため、企業にとってはメリットが大きいです。
中古市場や非公式ルートでの購入のリスク
現在でもCS6などの買い切り版が中古市場で販売されていることがありますが、以下のリスクがあるため注意が必要です。
- ライセンス違反の可能性
正規のAdobeアカウントと紐づいていないライセンスは、使用できなくなる可能性があります。 - 最新OSとの互換性がない
古いソフトウェアは、新しいWindowsやmacOSで動作しないことがあります。 - サポートが受けられない
AdobeはCS6のサポートを終了しており、問題が発生しても修正されません。
サブスクプランでアフターエフェクトを利用するメリット・デメリット

アフターエフェクトを利用するためには、Adobeのサブスクプランに加入する必要があります。現在の購入オプションは以下の通りです。
プラン | 月額料金 (年間契約) | 年額一括払い | 特徴 |
---|---|---|---|
単体プラン | 約3,280円 | 34,680円 | アフターエフェクト単体が使える |
コンプリートプラン | 約7,780円 | 86,880円 | PhotoshopやPremiere Proを含む全Adobe製品が利用可能 |
学生・教職員向けプラン | 初年度 2,180円 | 26,160円 | コンプリートプランが特別価格で利用可能 |
サブスクモデルには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
サブスクモデルのメリット
- 常に最新バージョンが使える
- 新機能が定期的に追加される
- クラウドストレージやフォントが利用可能
サブスクモデルのデメリット
- 毎月の支払いが必要
- 使わなくなっても費用が発生する
- 長期間利用するとコストが高くなる
アフターエフェクトの代替ソフト

アフターエフェクトは高機能なソフトですが、サブスクのコストが気になる方も多いでしょう。そこで、無料または低価格で使える代替ソフトを紹介します。
DaVinci Resolve(Fusion)
価格: 無料(有料版あり)
特徴:
- ハリウッド映画でも使われるプロ向けソフト
- 無料版でも高度なVFX機能が利用可能
- Fusionを使えば、アフターエフェクトに近い機能が使える
Blender
価格: 無料
特徴:
- 3Dアニメーション、モーショングラフィックスに強い
- ノードベースのVFX編集が可能
- オープンソースで拡張性が高い
HitFilm Express
価格: 無料(追加機能は有料)
特徴:
- VFXと動画編集が1つのソフトで可能
- 直感的なインターフェースで初心者にも使いやすい
- 特殊効果や3Dトラッキング機能を搭載
Natron
価格: 無料
特徴:
- After Effectsに近いノードベースのコンポジティングソフト
- 高度なVFX制作が可能
- オープンソースでカスタマイズ性が高い
OpenShot
価格: 無料
特徴:
- シンプルで使いやすい動画編集ソフト
- 初心者向けで基本的なエフェクト機能も充実
- 直感的なインターフェース
Filmora
価格: 買い切り版あり(約10,000円)
特徴:
- 操作が簡単で初心者向け
- エフェクトやテンプレートが豊富
- 比較的安価な価格設定

VEGAS Effects
価格: 有料
特徴:
- VEGAS Proと連携できるエフェクト制作ソフト
- モーショングラフィックスや合成機能が充実
- After Effectsの代替として利用可能
まとめ

アフターエフェクトの買い切り版は、現在ほぼ入手不可能であり、最新の環境で使い続けるにはサブスクを選ぶのが現実的です。サブスクモデルにはメリットもありますが、コストが気になる方には代替ソフトを検討するのもおすすめです。
特に、DaVinci Resolve(Fusion)やBlender、HitFilm Expressは、無料でありながら高機能なVFX制作が可能なソフトとして人気があります。
自分の用途に合ったソフトを選び、映像制作を効率的に進めていきましょう!