YouTubeを視聴していると、動画の周りがぼんやりと光る効果に気づいたことはありませんか。これは「アンビエントモード」または「シネマティックライティング」と呼ばれる新機能です。この機能は、視聴体験をより豊かにすることを目指して導入されましたが、一方で「邪魔だ」と感じる人もいるようです。
この記事では、私が実際に使ってみた経験を踏まえ、YouTubeのアンビエントモードとは何か、その設定方法からメリット・デメリット、他の表示モードとの違いまでを徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたもアンビエントモードを完全に理解し、自分好みの視聴環境を構築できます。
YouTubeアンビエントモードの基本を理解する

アンビエントモードは、YouTubeの視聴体験を向上させるための比較的新しい機能です。しかし、その名称や仕組みについて正確に理解している人はまだ少ないかもしれません。ここでは、アンビエントモードの基本的な概念を解説します。
アンビエントモードとは?|没入感を高めるライティング効果
アンビエントモードとは、視聴している動画の色彩を抽出し、その色を動画プレイヤーの周辺背景に淡く投影する機能です。この効果によって、動画とアプリ背景の境界線が曖昧になり、よりシームレスで没入感の高い視聴体験が生まれます。
私がこの機能を初めて体験したとき、まるで暗い部屋で映画を見ているかのように、画面の光が周囲に広がっていくような感覚を覚えました。特に、色彩豊かな映像や雰囲気のあるミュージックビデオを見ると、その効果を強く実感できます。この機能は、YouTubeが提供するダークモードの拡張機能として位置づけられており、ダークモードを有効にしている場合にのみ利用できます。
名称の違いに注意|PCでは「シネマティックライティング」
この機能について少し混乱を招く点があります。それは、使用するデバイスによって名称が異なることです。スマートフォン(AndroidやiPhone)のアプリでは「アンビエントモード」と呼ばれています。
一方で、パソコン(PCやMac)のウェブブラウザ版では「シネマティックライティング」という名称で提供されています。呼び名は異なりますが、機能としては全く同じものです。この記事では、主に「アンビエントモード」という名称で統一して解説を進めますが、PCで設定する際は「シネマティックライティング」という項目を探す必要があります。
アンビエントモードの設定方法【プラットフォーム別】

アンビエントモードは、簡単な手順でオン・オフを切り替えられます。ここでは、PCとスマートフォンのそれぞれで設定する方法を具体的に説明します。どちらのプラットフォームでも、設定を有効にするにはダークモードがオンになっていることが前提条件です。
PC(パソコン)での設定手順
PC版YouTubeでは「シネマティックライティング」という名前で設定します。一度設定すれば、そのブラウザでの設定は維持されます。
- 任意のYouTube動画を再生します。
- 動画プレイヤーの右下にある歯車アイコン(⚙️)をクリックします。
- 表示されたメニューの中から「シネマティックライティング」をクリックして、オンまたはオフに切り替えます。
この手軽さがPC版の魅力です。動画を見ながら、気分に応じてすぐに切り替えられるので、私もコンテンツの種類によって使い分けています。
スマホ(Android/iPhone)での設定手順
スマートフォンアプリでは「アンビエントモード」という名前で設定します。こちらも一度設定すれば、アプリ内のすべての動画に適用されます。
- 任意のYouTube動画を再生します。
- 画面を一度タップして、右上に表示される歯車アイコン(⚙️)をタップします。
- メニューの中から「その他の設定」をタップします。
- 「アンビエントモード」の項目をタップして、オンまたはオフに切り替えます。
スマホの場合、設定項目が一つ階層深くなっていますが、覚えてしまえば簡単です。外出先でデータ通信量やバッテリーを節約したい場合は、オフにしておくのが賢明です。
レビュー|アンビエントモードのメリット・デメリット

アンビエントモードは、視聴体験を向上させる一方で、いくつかの欠点も指摘されています。ここでは、私が実際に感じたメリットとデメリットを詳しく解説します。
メリット|より映画的で没入感のある体験
アンビエントモードの最大のメリットは、その没入感の高さにあります。
- 映画のような雰囲気|動画の色が背景に溶け込むことで、プレイヤーの硬い枠がなくなり、より統合された視覚体験が生まれます。
- 集中力の向上|視覚的に豊かなドキュメンタリーやライブ映像など、特定のコンテンツでは、視線が自然と画面中央に引きつけられ、内容への集中力が高まります。
- 洗練されたデザイン|流動的な光の効果は、現代のUIデザイントレンドとも合致しており、YouTube全体の見た目をよりモダンでダイナミックに感じさせます。
デメリット|注意散漫やパフォーマンスへの影響
一方で、すべてのユーザーにとって快適な機能とは言えない側面もあります。
- 周辺視野の妨害|人間の目は、周辺視野の動きや色の変化に敏感です。そのため、人によっては背景の光の変化が気になり、かえって動画の内容から注意が逸れてしまうことがあります。
- バッテリー消費の増加|背景色を常に処理するため、静的な黒い背景に比べてスマートフォンのバッテリー消費量が増加します。
- パフォーマンスの低下|古いデバイスやスペックの低いPCでは、処理負荷が増えることで、動画がカクついたり、UIの反応が遅れたりする可能性があります。
アンビエントモードと他の表示モードの違い

YouTubeには、アンビエントモード以外にも視聴画面を調整する機能があります。特に「シアターモード」と「全画面モード」は混同されがちです。それぞれの機能の違いを理解し、適切に使い分けることが重要です。
機能 | 目的 | UIへの影響 |
アンビエントモード | 美的な没入感 | プレイヤー背後の背景に動的な色の光を追加。プレイヤーサイズは変更しない。 |
シアターモード | プレイヤーサイズの拡大 | プレイヤーをブラウザの横幅いっぱいに拡大。コメントなどは下に移動。 |
全画面モード | プレイヤーサイズの最大化 | プレイヤーをモニター全体に拡大し、他のUI要素はすべて非表示にする。 |
シアターモードとの違い
シアターモードは、動画プレイヤーの「サイズ」を変更する機能です。これをオンにすると、動画プレイヤーがウェブページのメインカラムの横幅いっぱいに広がります。コメントや関連動画はプレイヤーの下に配置されます。アンビエントモードが「雰囲気」を変える機能であるのに対し、シアターモードは「レイアウト」を変える機能です。
全画面モードとの違い
全画面モードは、その名の通り、動画プレイヤーをPCやスマホのディスプレイ「全体」に表示する機能です。ブラウザのタブやOSのタスクバーなど、動画以外のすべてのUI要素が非表示になり、最大限の没入感で視聴できます。アンビエントモードはあくまでYouTubeのインターフェース内で完結する効果ですが、全画面モードはデバイスの表示そのものを支配します。
アンビエントモードに関するよくある質問

ここでは、アンビエントモードに関してユーザーから寄せられることが多い質問とその解決策をまとめました。トラブルが発生した際の参考にしてください。
設定が見つからない・無効にできない場合は?
設定のトグルが見つからない、またはグレーアウトしていて操作できない場合、いくつかの原因が考えられます。
- ダークモードの確認|最も多い原因は、ダークモードが有効になっていないことです。アンビエントモードはダークモード専用の機能です。
- アプリ・ブラウザの更新|YouTubeアプリやウェブブラウザが古いバージョンの場合、機能がサポートされていないことがあります。最新版にアップデートしてください。
- キャッシュのクリア|一時的な不具合であれば、アプリやブラウザのキャッシュをクリアすることで解決する場合があります。
効果が見られないときは?
アンビエントモードをオンにしているはずなのに、光の効果が見られない場合もあります。
- 動画の互換性|一部の動画は、エンコードの問題などでアンビエントモードに対応していないことがあります。別の動画で試してみてください。
- 効果の微妙さ|非常に暗い映像や、色数の少ないモノトーンの映像では、効果が非常に微妙で気づきにくいことがあります。カラフルな動画で確認することをおすすめします。
- 設定の再確認|一度ダークモードをオフにし、再度オンにしてからアンビエントモードの設定を再確認すると、問題が解消されることがあります。
まとめ

YouTubeのアンビエントモード(シネマティックライティング)は、動画の色彩を背景に反映させることで、視聴体験に新たな深みを与える機能です。映画のような没入感を得られるという大きなメリットがある一方で、人によっては注意散漫に感じたり、デバイスのパフォーマンスに影響を与えたりするトレードオフも存在します。
この機能は普遍的に「良い」または「悪い」と判断できるものではなく、個人の好みや視聴するコンテンツ、その時の状況によって価値が変わる「ツール」です。この記事で解説した設定方法や他のモードとの違いを参考に、あなた自身の視聴スタイルに合わせてアンビエントモードを有効活用してください。最終的な目標は、あなた自身が最も快適だと感じる視聴環境を自由にカスタマイズすることです。