YouTubeに動画をアップロードしようとして「なぜかエラーが出てしまう」「15分以上の長い動画を投稿したいのにできない」と悩んだ経験はありませんか。私がYouTubeを始めたばかりの頃、まさにこの「15分の壁」にぶつかりました。実はYouTubeには、動画の長さやファイルサイズ、1日にアップロードできる本数にいくつかの「上限」が設けられています。
これらの上限は、単なる意地悪な制限ではありません。プラットフォームの安定性を保ち、すべてのユーザーが快適に利用できるようにするための重要な仕組みです。この記事では、私が学んだYouTubeのアップロード上限の全体像と、その制限を一つずつクリアしてチャンネルの全機能を解放していく方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
YouTubeの基本的なアップロード上限|ファイルサイズと再生時間

YouTubeで動画を投稿する上で、すべてのクリエイターが知っておくべき基本的な上限が2つあります。それは「ファイルサイズ」と「再生時間」です。この2つの上限は、アカウントの認証状況にかかわらず適用される絶対的なルールです。
動画1本あたりの上限は「256GB」または「12時間」
YouTubeにアップロードできる動画1本あたりの上限は、ファイルサイズが256GB、または再生時間が12時間の、いずれか小さい方と定められています。これは、非常に高画質な映画や、半日にも及ぶ長時間の映像をアップロードしない限り、ほとんどのクリエイターが意識することのない大きな上限です。
以前は上限が128GBだったため、古い情報サイトではそのように記載されている場合がありますが、現在は256GBが公式な上限値です。「いずれか小さい方」という点がポイントで、例えば再生時間が10時間でもファイルサイズが300GBの動画や、ファイルサイズが100GBでも再生時間が14時間の動画は、どちらも上限を超えているためアップロードできません。
実質的な制限は動画の解像度で変わる
「256GB」と「12時間」という2つの上限のうち、どちらが先に問題になるかは、あなたが作成する動画の「解像度」によって変わります。動画のファイルサイズは、再生時間、解像度、そしてビットレート(1秒あたりのデータ量)で決まるからです。
一般的なフルHD(1080p)解像度で動画を作成する場合、ファイルサイズが256GBに達する前に、再生時間が12時間を超えることがほとんどです。そのため、多くのクリエイターにとっては**「12時間」という時間制限**が実質的な上限となります。
一方で、4K(2160p)のような高解像度の動画を扱う場合は状況が異なります。4K動画はデータ量が非常に大きいため、再生時間が12時間に達するより先に、ファイルサイズが「256GB」の上限に達する可能性があります。私が4Kで長編動画を作成する際は、ファイルサイズを意識して書き出し設定を調整しています。
解像度 | 推定される最大時間(256GBの場合) | 実際の制限要因 |
1080p (フルHD) | 約49時間 | 12時間の再生時間 |
1440p (2K) | 約24.5時間 | 12時間の再生時間 |
2160p (4K) | 約8.6時間 | 256GBのファイルサイズ |
15分の壁を突破!「中級者向け機能」を解放する方法

YouTubeチャンネルを開設したばかりのクリエイターが、最初に直面するのが「15分の壁」です。これは、デフォルトの状態では15分を超える動画をアップロードできない制限です。この制限を解除することが、本格的なチャンネル運営の第一歩となります。
なぜ初期アカウントは15分までしか投稿できないのか
この15分という制限は、YouTubeがプラットフォームを健全に保つための重要な仕組みです。悪意のあるユーザーが、使い捨てのアカウントを大量に作成して、スパム動画や規約違反の動画を無秩序に投稿するのを防ぐ目的があります。
クリエイターに簡単な一手間を要求することで、YouTubeはそのアカウントが信頼できる人物によって運営されていることを確認します。私がこの理由を知ったとき、単なる制限ではなく、クリエイターとプラットフォームの信頼関係の第一歩なのだと理解しました。
解除は簡単|電話番号によるアカウント確認
15分の時間制限を解除する方法は非常にシンプルで、携帯電話番号を使ったアカウント確認を行うだけです。この手続きは数分で完了します。
- YouTube Studioにアクセスします。
- 左側のメニューから「設定」をクリックします。
- 「チャンネル」タブを選び、「機能の利用資格」に進みます。
- 「中級者向け機能」の項目を見つけ、「電話番号を確認」をクリックします。
- 画面の指示に従い、SMS(テキストメッセージ)または自動音声通話で認証コードを受け取り、入力すれば完了です。
この確認が完了すると、即座に15分を超える動画のアップロードが認められます。
長時間動画だけじゃない!解放される重要機能
電話番号によるアカウント確認のメリットは、長時間動画を投稿できるようになるだけではありません。これはチャンネルをプロフェッショナルに運営していく上で不可欠な、一連の重要な「中級者向け機能」を解放する鍵となります。
アカウント確認によって解放される主な機能は以下の通りです。
- 15分を超える動画のアップロード
- カスタムサムネイルの追加
- ライブ配信の実施
- Content IDの申し立てに対する再審査請求
特に「カスタムサムネイル」は、動画のクリック率を大きく左右する生命線です。魅力的なサムネイルを設定できるかどうかは、チャンネルの成長に直結します。アカウントの確認は、チャンネルを作成したら真っ先に行うべき最優先事項と言えるでしょう。
1日のアップロード本数制限と「上級者向け機能」

15分の壁を越えたクリエイターが次に意識するのは、1日にアップロードできる動画の本数です。これもまた、YouTubeの信頼性に基づいた動的な制限です。
1日に投稿できる動画本数は決まっていない
YouTubeは、24時間以内にアップロードできる動画の具体的な本数を公表していません。この上限は固定値ではなく、国や地域、そして最も重要な要素である**チャンネルの履歴(信頼性)**に応じて動的に変動します。
新しいチャンネルや、投稿実績がほとんどないチャンネルでは、1日に10本程度の動画をアップロードしただけで上限に達することがあります。一方で、長期間にわたって健全な運営を続けてきた信頼性の高いチャンネルでは、より多くの動画をアップロードできます。上限に達した場合、「1日のアップロード上限に達しました」というメッセージが表示され、24時間待つ必要があります。
上限を引き上げるための「上級者向け機能」とは
この低い1日のアップロード上限を緩和し、より多くの動画を投稿できるようにするための公式な手段が、「上級者向け機能」を有効にすることです。これは中級者向け機能(電話番号認証)が有効になっていることが前提条件です。
上級者向け機能へのアクセスを申請するには、以下のいずれかの方法を選択します。
- 動画による確認|スマートフォンを使い、画面の指示に従って自分の顔を30秒ほど撮影して提出します。
- 有効な身分証明書|パスポートや運転免許証など、政府発行の身分証明書の画像を提出します。
- チャンネル履歴の構築|特別な申請は不要です。チャンネルが長期間にわたってコミュニティガイドラインを遵守し、一貫して活動することで、YouTubeが自動的にアクセスを許可します。これには通常、数ヶ月の期間を要します。
これらの手順は、あなたが実在し、説明責任を負う人物であることをYouTubeに示す行為です。上級者向け機能を有効にすることは、1日のアップロード上限を引き上げるだけでなく、将来的に収益化(YouTubeパートナープログラム)へ申請するための資格を得ることにも繋がります。
ショート動画とライブ配信の特殊な上限

通常の動画投稿とは別に、YouTubeショートやライブ配信といった特殊なフォーマットにも、それぞれ独自のルールや上限が存在します。これらの仕様を理解することは、多様なコンテンツ戦略を展開する上で重要です。
YouTubeショート|上限が60秒から3分へ
YouTubeショートは、スマートフォンでの視聴に最適化された短尺動画フォーマットです。従来、ショート動画として扱われるのは最大60秒の動画でした。
しかし、2024年10月15日以降、クリエイターは最大3分までの長さのショート動画をアップロードできるようになります。これはコンテンツの表現の幅を広げる大きな変更ですが、重要な注意点があります。
1分を超え3分以内のショート動画で、著作権で保護された楽曲などの有効なContent IDの申し立てが含まれている場合、その動画は全世界でブロックされます。商用音楽を使って少し長めのショート動画を作成するクリエイターは、この新しいポリシーに特に注意を払う必要があります。
ライブ配信|配信時間とアーカイブの注意点
視聴者とリアルタイムで交流できるライブ配信は、非常に強力なエンゲージメントツールです。このライブ配信には、知っておくべき二面性があります。
まず、ライブ配信の放送自体に時間制限はありません。理論上は24時間でも48時間でも配信を続けることができます。しかし、注意すべきは配信後の「アーカイブ」機能です。配信した映像が動画として自動的に保存されるのは、配信時間が12時間未満の場合のみです。
私がチャリティイベントなどで24時間配信を計画する友人クリエイターにアドバイスするのは、必ず手元のPCなどでローカル録画も同時に行うことです。12時間を超えるライブ配信はYouTube側で自動保存されないため、バックアップがないと貴重な映像が失われてしまいます。
それでもアップロードできない場合のチェックリスト

ここまでに解説した上限に抵触していないにもかかわらず、動画のアップロードがうまくいかない場合があります。そのようなときは、以下の項目を確認してみてください。
- インターネット回線|低速または不安定なインターネット接続は、アップロード失敗の最も一般的な原因です。安定したWi-Fi環境や有線LAN接続を試しましょう。
- ファイル形式|YouTubeが推奨するファイル形式を使用しているか確認します。一般的に「MP4」コンテナ、「H.264」動画コーデック、「AAC」音声コーデックの組み合わせが最も高い互換性を持ちます。
- チャンネルのステータス|YouTube Studioで、自分のチャンネルに著作権侵害の申し立てやコミュニティガイドラインの違反警告が来ていないか確認します。警告があると一部機能が制限されることがあります。
- ブラウザのバージョン|特に20GBを超えるような巨大なファイルをアップロードする際は、使用しているWebブラウザ(Chromeなど)を最新版にアップデートすることが推奨されています。
まとめ|YouTubeの上限はチャンネル成長の道しるべ

この記事では、YouTubeの様々なアップロード上限について解説しました。動画1本あたりの基本的な上限から、15分の壁、そして1日の投稿本数に至るまで、様々なルールが存在します。
私がYouTubeを続けてきて感じるのは、これらの上限は単なる制限ではないということです。むしろ、クリエイターの信頼性に応じて段階的に機能が解放されていく「インセンティブシステム」と捉えることができます。
電話番号認証で中級者向け機能を手に入れ、身分証明やチャンネルの歴史で上級者向け機能へとステップアップしていくプロセスは、まさにあなたのチャンネルが健全に成長している証です。これらの上限を正しく理解し、一つずつクリアしていくことで、あなたはYouTubeというプラットフォームのポテンシャルを最大限に引き出すことができるでしょう。